理数探究の考え方 (ちくま新書 1689)

著者 :
  • 筑摩書房 (2022年10月11日発売)
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感想 : 14

この30年間、理科や算数・数学は楽しいということを伝えようと努力してきたつもりだけれど、はたして自分をサイエンスコミュニケーターと呼んでよいだろうか。物理学科で4年間学んだだけで、専門家としての訓練など全くしていないし、論文を読んだことも書いたこともない。1次資料に当たってみる力もない。成人リテラシー調査はほぼ正解できるがあやふやなものもある。だいたい理科の授業をしていると、これって本当?とか、なんでこうなるの?と思うことはざらで、最近ではすぐググってしまう。で、あまり信用にならないような情報をとりあえず生徒に伝えてしまうこともある。これでは、サイエンスコミュニケーターとしては失格だろうか。まあだが、サイエンスというか学問全般が楽しいものだという思いはあるし、それを伝えたいとも思っている。だから、自分では「学問のファンクラブ会長」と言ったりしている。まあ、半人前のサイエンスコミュニケーターとして認めていただけるとありがたい。ところで、探究学習をすることで生徒の能力が伸びた、だから探究学習を広めようとしているというような記述があった。それは本当に正しいのだろうか。僕にはどうも、SSHなどで探究学習をしている高校にはもともと優秀な生徒が集まっているとしか思えない。ふつうの高校で探究をしようと思っても行き詰ってしまうのではないか。今後の動向に注目しないといけない。それと、親の教育というか、子どもをどういう環境に置くかは大切だと思うし、自分でも意識してきたつもりだけれど、必ずしもそれでうまくいくとは限らないと思う。子育ては思うようにいかないものというのが真理だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教育
感想投稿日 : 2022年10月30日
読了日 : 2022年10月30日
本棚登録日 : 2022年10月9日

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