柳田国男、南方熊楠とならんで偉大な民俗学者三人のうちの一人、折口信夫の思想について語った本です。もともとがNHKの番組用に語られたものであること、そして本書が若い人向けに書かれた新書であること、そういったことで本書は比較的読みやすく仕上がっています。折口信夫について書かれた本を読むのは、私にとってこれがはじめて。中沢氏に引き寄せられるように手にとったのだけれど、序文の一行目を読んですぐに手に入れようと思いました。「かれこれもう三十数年にもわたって、わたしは折口信夫を読み続けている。」何がそこまで中沢氏の心を引き付けるのだろうか。それが知りたくて読み始めました。それで、そのことがわかったのかどうかというと、「森のバロック」同様、全く自信はないのだけれど、それでもいまの世にとって、とても大切なことを、早い段階で言っていたのだろう、ということだけは伝わってきます。「ムスビの神」それがいったいなんなのか、もう少しじっくりと読んでいかないといけません。そして、折口信夫自身が書いた文章も読んでみる必要がありそうです。幸い、「ちくま文学の森」が随時文庫になっていっているので、折口の分が出てくるのがいまから楽しみです。
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カテゴリ:
中沢新一
- 感想投稿日 : 2015年4月13日
- 本棚登録日 : 2015年4月13日
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