名画にまつわる、短編小説。ミステリーだと思って読んでいたが、どちらかと言えば、幻想小説のように感じた。
中には怪奇小説?という趣のものもあり。
「美姫と野獣」「東洋一の防疫官」「女殺し屋と秘密諜報員」「孤高の文士」「孤高の文士2」はギャグ?のような話だった。
その前の「旧校舎の踊り場」でゾクっとしたので、ちょっとほっとひと息、と思ったら「六人姉妹」でまたもゾクリとさせられる。このオチは看破したかった。ヒントは散りばめられていたはずなのに。
「父の再婚」は心温まるお話。このオチは予測できた。それでも地味深い料理を味わうような気持が持てた。
「祖母緑の少女Ⅰ」「祖母緑の少女Ⅱ」はとても素敵なお話だった。アンネ=ゾフィーに幸あれ、願う。
冒頭の「後宮寵姫」と最後の「葡流后の塔の上で」は絵の中のモデルとの交流のお話。ミステリアスで神秘的。ブルゴーニュとハプスブルクの話も知ることが出来て、楽しかった。
紹介されていた絵画で知っていたのは「グランド・オダリスク」「女の三段階と死」「四人の使徒」くらいでした。もっと知っていたら、もっと楽しく読めたのになあ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年9月27日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2021年9月27日
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