安倍vs.プーチン ――日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか? (筑摩選書)

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  • 筑摩書房 (2020年8月11日発売)
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感想 : 8
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安倍首相の北方領土問題についてのプーチン大統領との交渉、これが前半を占めている。ちょっと冗長に過ぎるような気もするぐらい。
ただ後半部も含めると北方領土問題の歴史がしっかりまとめられていて勉強になる本。
安倍は交渉打開のために1956年の日ソ共同宣言を拠り所とし、新しいアプローチというフレーズを口にしたが、それはロシア側に受け入れられることはなかった。制裁を科しながらの交渉は時に逆効果だった。
そもそも北方領土とは神話であり、もともと日本も択捉と国後は南千島として認識していた。
結局北方領土の主権を取り戻したとして、どうなるのか。その簡易的な予想もしており、結局はロシア系住民が多数を占める地域が生まれ、それがウクライナの東部やモルドバ東部のトランスニエストルのような地域になる危険性について述べている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 外交・国際政治
感想投稿日 : 2020年9月27日
読了日 : 2020年9月27日
本棚登録日 : 2020年9月27日

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