レヴィナス入門 (ちくま新書 200)

著者 :
  • 筑摩書房 (1999年5月1日発売)
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本棚登録 : 495
感想 : 33
4

2017.1.13
前半はさっぱり。後半はなんとなく理解できた。他者を時間という観点から考えていたとは知らなかった。対話という構造を時間から考えた哲学者にローゼンシュヴァイクがいるが、レヴィナスは他者を時間で考えた。どうしても捉えきれない他者は、私の世界の外側からやってくる。その顔に現前する世界の外側、私には捉えきれないものとは何か、それはその他者の歴史である。思えば確かにそうだ。私は他者の言葉、表情、行為を見て取る事ができる。しかしそれらの背景にあるもの、それまでの文脈は読み取る事ができない。一人の人間の独自性はその人間が生きてきた歴史において様々な関係を経験する事で蓄積してきたものの集積であるとするならば、私にあなたのその歴史的蓄積、皺に刻まれた時間を知るすべはない。
時間といえばベルクソンなので、そこあたりも含めて学習を進めたい。しかしレヴィナス、入門書にしてもこの難しさか…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年1月13日
読了日 : 2017年1月13日
本棚登録日 : 2017年1月13日

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