だれもがポオを愛していた (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (1997年8月23日発売)
3.78
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本棚登録 : 207
感想 : 27
4

んーーすごい!
作者の名前も聞いたことがなく、この本自体ミステリ研OBから聞くまで知らなかった。
こんな隠れた?本格があったとは!

正直、ストーリーに盛り上がりはそこまでなく、犯人も意外ではあるものの地味である。犯人が指摘されてからは、特にどんでん返しもなくすんなりと終幕する。
しかし!犯人に辿り着くまでのニッキの推理がクイーンばりにロジカルである。犯人や動機などにあまりスポットを当ててないことからも、そんなものは二の次で、ロジックこそが主役という感じ。
クイーンは有名どころしか読んだことがないが、ニッキの推理を聞いてると、あーークイーンがいると感じた。

また、エピローグのアッシャー家の崩壊の考察がすごすぎる。
幻想小説という仮面の裏に実は人為的な犯罪が潜んでいたなんて。あんなふうに、自分の作品を探偵のような目で読んでる読者がいるなんてポーも嬉しいだろうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月23日
読了日 : 2021年3月23日
本棚登録日 : 2021年3月23日

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コメント 1件

111108さんのコメント
2021/05/23

tamasan 7さん はじめまして。

勝手にお名前あげてしまいすみません。

でもtamasan 7さんのレビューでこんな面白い本と出会えて本当に良かったです!

いまさらながらこの本からクイーンやポオをもっと読みたくなりました。

これからも本棚参考にさせてくださいね!

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