飛んで火に入る料理番 新・包丁人侍事件帖 (3) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年6月18日発売)
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4

江戸城の御膳所で将軍の食事を作る料理人・鮎川惣介の物語。

この時代の江戸は火事が多かったと聞く。
文政七年如月、立て続けに5件の火事が起きた。
付け火の疑いもある。
そして、以前の事件で知り合いになった火消しの勘太郎に、友人の不審死について調べてほしいと惣介に依頼がくる。
それにと並行して、江戸幕府上層部では、贋金造りの捜査も進んでいた。
火事に関して、多分それ以外にも、江戸幕府がさまざまに危機管理対策を考え、政治を行ってきたのだなと思う。
しかし、その影で、都合の悪い事件はもみ消しにされたりして・・・
ま、現代と同じかな。

いかにも良い人過ぎる人は胡散臭いかなと疑う。
お人好しの惣介は気付かないが、読者には分かるように書いたのだろう。
ふみと伝吉も、堂々たる鮎川ファミリーとなった。

しばらく、長女・鈴菜の恋愛沙汰に翻弄されていた惣介だが、今度は長男・小一郎の起こした事件に悩まされる。
中二病真っ盛りのお年頃。
躾に関しては、その家それぞれのやり方があるだろうし、御家人と旗本の家では「嫡男」の立場の重さも違うかもしれない。

惣介が、次第に大鷹源吾と協力する(?)ようになることに「進展」を感じる。
そして、今回は出番の少なかった末沢主水・・・どうなるのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月5日
読了日 : 2023年1月5日
本棚登録日 : 2023年1月5日

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