から揚げの秘密-ひぐまのキッチン (中公文庫 い 129-2)

著者 :
  • 中央公論新社 (2019年6月20日発売)
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感想 : 24
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「ひぐまのキッチン」シリーズ第二弾。
“ひぐま”とは、樋口まりあの愛称。

いきなり、お馴染みのゆかりへのSOSで始まるが、だんだん、まりあが自分で考えて仕事を進めるエピソードも増えてくる。
社内の人間関係でも、お昼のランチ仲間の恋バナに付き合うゆとりも生まれ、しかしまだまだ男女の機微にはうといまりあである。
そんな中、粉物を扱う会社なら避けては通れない事件が・・・!

今の教育現場が抱える、あだ名、食物アレルギーなどの事情も描かれる。
主人公の樋口まりあが“ひぐま”と呼ばれることへの、何らかの説明も含むのかもしれない。

まりあが勤務する「コメヘン」の社長・米田の人柄の良さを始めとするスペックの高さが半端ない。
米田に憧れ、そのためにコメヘンに入った、自分も起業したいという山本梢(やまもとこずえ)。
でも、夢はあっても・・・
あの「スーパー秘書」のゆかりでさえ、もう40歳だから早く子供を産まなくてはと焦る。
やはり人生は一筋縄ではいかない。
でも、この作品はマイナス思考では描かれない。

「食フェス」という、賑やかなイベントで幕を引いたのも良かった。
1巻で昼食を出したお得意様がたびたび話題に上ったり、まりあと関わってくるコメヘン社員の個性も次第に浮き彫りにされたりと、先が楽しみな展開。
このような、「悪い人」が出てこない作品は心の健康を保つために必要だと思う。

『筍はいちはやく』
『111個のフォーチュンクッキー』
『恋と野心とギムレット』
『冷やし葛うどんにあったか赤飯』
『そばのおいしい時期(ころ)』
『から揚げの秘密』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月27日
読了日 : 2021年3月27日
本棚登録日 : 2021年3月27日

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