土蛍 猿若町捕物帳

著者 :
  • 光文社 (2013年6月19日発売)
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本棚登録 : 261
感想 : 53
4

『猿若町捕物帳』シリーズ
人の、「心の持ちよう」という事について考えさせられる話が多かった。
ミステリーではあるが、江戸人情ものという趣もある。
レギュラーの登場人物にもすっかり馴染んできたので、ずっと続いて欲しいシリーズだ。

『むじな菊』
騒動に絡む人たちが込み入っていて、読み返してしまった。
むじな菊の模様も良くわからなかったので、画像検索。
物の見方で、くるんと変わって見える…
だまし絵のようなものだと思えばよい。
そういうお話。

『だんまり』
なんというか!
変わったことに喜びを見出す人たち。
このシリーズには、しっかりした健気な女性がたくさん出てくるのも嬉しい。

『土蛍』
お金も幸せも一緒だが、自分の望む量と手に入る量の差が“渇き”の大きさである。

『はずれくじ』
はるが、どちらなのか分からないように書かれている。
最初に出てきたとき、「え?どっちなの?」と思った。
枚数が足りなかったので、書きおろしでしょうか。
一番短いのだけれど、この短編集にテーマとかつながりがあるとすれば、とてもふさわしいお話。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年6月11日
読了日 : 2016年6月11日
本棚登録日 : 2016年6月11日

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