小説 あらしのよるに〔小学館文庫〕 (小学館文庫 き 10-1)

  • 小学館 (2008年12月5日発売)
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本棚登録 : 384
感想 : 46

絵本のようなお話かと甘く見てました。
想い合う異種族の2匹が予想以上に辛い目に遭っていて、油断していたせいもあって泣きそうになりました。
一筋縄じゃ行かない恋なのはわかってたけど、もっと早めに幸せに暮らしてくれると思ってたんだ…。

今までにない世界や恋のために、思いきった態度で「草食動物らしさ」から外れていくメイちゃんもまた予想外でした。
かわいいヤギさんが、怖そうなオオカミさんと心を通わせていくだけの話ではなかった。ヤギさんは意外と男前だった。

追っ手の恐怖や先の見えない不安から、他の全てを捨てて一緒にいることを選んだ相手と傷付けあってしまうのもなんだか妙にリアル。
ラスト手前には「うそでしょ、もういいよ!もう幸せになりなよ!」って思うくらいには引き込まれてました。

いつまでも幸せに暮らしました、ではなく、永遠の別れまで描かれているところが、余計に切ないような、でも本当にそれまで一緒だったんだなと安心するような。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年5月17日
読了日 : 2014年5月17日
本棚登録日 : 2014年5月17日

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