「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2014年2月28日発売)
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 東京都の予選でベスト16とは、高校野球経験者の認識ではその凄さを瞬時に理解する。くじ運か?との疑問にもすぐに答えを提供され、なぜ勝てる?と読み進めたくなる欲求を抑えきれなかった。
 頑張らないように見えて、努力の片鱗が見えた。きっと勉強で鍛え上げられた耐力の成果だと思った。夢見て自分の身体をイジメぬいて鍛える猛者たちと相対することに少しも怯まない精神的な狡猾さとも思える考えには感心せざるを得ない。失敗を嫌い、侮蔑から逃避する思考で満タンの権力者たちとの対比をしてしまった。学歴が高くても自身の弱点と克服出来ない実力にも向き合い、可能な範囲で勝利する戦略を個々に考え、試し、実行されたら強さにつながる。そんな過程がハッキリと見てとれた。
 ミスを許容し、弱みを認め、好きや得意を伸ばす事で勝ちに繋げる理論は、仕事や私生活で充分通用するのではないかと感じた。特に年々個人へのストレスが増していく昨今には有効かもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月19日
読了日 : 2021年9月19日
本棚登録日 : 2021年8月22日

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