街場の中国論

著者 :
  • ミシマ社 (2007年6月15日発売)
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感想 : 45
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中華思想をさらに明確にした華夷秩序というキーワードが鮮烈。そもそも日本の十倍の人口の多少、同じく20倍以上の少数民族種を抱える国の必然的な統治の在り方としての一党独裁先制主義と理解していたが、なるほど思想や国境とかはどうでもよく、朝貢して形だけでも子分である限り与えも奪いも干渉もしない。その中華思想が今でもガバナンスの中心にアンコンシャスであれ通底している。なるほど。
15年ほど前なので、いろいろ事情も変わっていて、冒頭提唱された中韓日での儒教くくりの何らかの共同体なぞはどこかにすっ飛んでしまって、今ではトンデモではある。
それでも中国を半ばシニカルにも面従腹背したり、本音と建て前を使い分けたり、派閥ごとに外交ラインを利権含みとはいえ抱えていた小渕恵三以前の自民党はいろいろ強かでうらやましくもあるな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 評論
感想投稿日 : 2022年4月1日
読了日 : 2022年4月1日
本棚登録日 : 2021年12月3日

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