他の本を読むなかでフランスの教育や社会制度に興味が湧き、遅ればせながらこちらも読みました。
制度を整えるだけでなく、その使いやすさもセットで整えることが重要だと感じた。
また、子育ては大変なものだからみんなで支えていく必要があるよね、という共通認識によって、精神的な負担も和らげられているのだろうと感じる。なんでも自己責任で片付けられがちな日本との大きな違いだと思う。
フランスの保育学校での分業制の事例などは、長時間労働が問題となっている日本での教員の労働環境を改善していくヒントにもなると感じた。(保育学校の存在により、小学校以降の不登校等の問題に対して良い影響が出ているのか気になった。)
個々の事例そのものも、すごく参考になると思うが、それ以上に、現状に満足せずによりよい仕組みを合理的に整えようとする姿勢、その実現が可能となっている社会のシステムが、何よりも日本が見習うべき点だと思う。
本書の終盤の関連する記載が印象に残った。
「個人の熱意が実って、国を動かし、生活が変わっていく。そして国の未来を支える。19世紀の保育問題に端を発するフランスの保育学校は、「人の思い」が可能にするダイナミックな社会の変化を実証しています。この事実を知るだけでも、今の日本社会にとって、力強い励ましになるのではないかと思うのです。」
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月5日
- 読了日 : 2023年12月5日
- 本棚登録日 : 2023年7月15日
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