社会の中で大切なことのようなものは、なんとなく理解して身についていることも多いかもしれないけど、じゃあなんで大切なのか、きちんと説明することは案外難しい。
なんで勉強するの?
なんでものを大切にするの?
なんで子供は大人を敬うべきなの?
なんで人は後悔するの?
なんで好奇心を大切にするべきなの?好奇心を大切にするためにはどうすればいいの?
子供が疑問に思うことから、大人になっても疑問に思うことまで、そういったことはたくさんある。
この本は主人公の小学生のコペル君を中心とした物語。いくつかのエピソードが進む中で、おじさんとの手紙のやり取りという形で、そういった大切なことが言葉ではっきりと説明されていく。大人でも自分たちの子供時代を思い返しながら読み進めれば、自分の周りでの似たような出来事を思い浮かべることができるだろうし、そこからそれは一体何事だったのだろうかをおじさんの手紙の言葉を踏まえて考えながら、自分事として楽しむことができると思う。(この本が配本されたのが1937年。そのくらい子供時代に起こる本質的なことは変わっていないのかという驚きもある。)
何より物語の中での大切な事を学ぶだけはなく、大切な事を学び続けようとする姿勢についても意識を高めてくれるところがいいなと。
30代、40代となるにつれ、ますます接する社会は広がり、大人だけではなく子供にも広がっていく。大人に対してもそうだが、子供に対してもしっかりと自分の言葉で大切な事が説明できるような大人になれたらなと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月30日
- 読了日 : 2017年11月29日
- 本棚登録日 : 2017年11月25日
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