ホテル・ニューハンプシャー〈下〉 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1989年10月30日発売)
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本棚登録 : 1485
感想 : 87

過酷な運命に主人公たちは幾度も「開いた窓の前で立ち止まり」そうになる。
「ソロー(悲しみ)は沈まず漂う」なかユーモアを交えながらも描く逞しい文体は、人がもつ強さを体現しているよう。
小説内で事件が起きるたびに、ため息をつき、それぞれの登場人物に感情移入しながら読んでいた。

ジョンアーヴィングの小説は、重厚というより骨太な小説で、割と悲惨でデリケートな内容を扱っているのだけど、その文体に救いがあって、小説の面白さや、本を閉じた後の、まとまらない考え・感情が奔流する幸福な時間を再確認できる。

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感想投稿日 : 2019年8月30日
本棚登録日 : 2019年8月30日

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