さくらももこ氏の面白エッセイと云いたいところだが、題名にあるようなトンデモ大冒険というほど奇抜な所を訪れたわけでもなく、これまでと変わらぬ内容のものだ。
しかし今回は実に内容が無い。
特に冒頭のベル博士宅訪問やサバイバルスクール体験は実際のところ、何も実が無い。ベル博士という奇妙な博士を訪れたら何か面白いネタがあるだろうと安直に思っていたら、これが余りにも奇抜すぎて(アホ過ぎて?)ひいてしまっただけだったというもの。
また興味本位で参加したサバイバルスクールが想像以上に過酷で結局何もしなかったこと。他の3編はさくらももこらしさが出た内容で訪問した相手も感性溢れる絵本作家、人生や森羅万象を達観した感のある漢方医、そして超能力者と人物そのものに魅力があったのは救い。これら3編がなければただ無駄に過ごした旅行・体験学習の報告に過ぎなく、しかもサバイバルスクールに関しては真面目に参加している方々に対して非常に失礼な内容であるから、金を出して買った読者に対して詐欺行為を働いているも同然である。
ちょっと浅慮過ぎたな、徳間書店とさくらももこ氏よ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2021年6月6日
- 読了日 : 2021年6月6日
- 本棚登録日 : 2021年6月6日
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