新装版 鈴木敏文の統計心理学

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  • プレジデント社 (2013年11月28日発売)
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セブンイレブンの創業者、鈴木敏文さんの言葉を基に経営理念を紐解いていく本。
その考え方には非常に説得力もあり、非常に普遍的なものなので大変参考になりますし、
他の業種であっても取り入れやすい考え方になっているのでお勧めです。
以下抜粋
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・大切なのは、どんな相手のどんな状態にあわせ、どんな材料を使って、どのような料理を作りどのように提供すれば、相手に喜ばれるかを考えることができるかどうか。

・ハードやシステムの導入はやろうと思えばどの企業でも同じようにできます。そこから先、より大きな成果を生み出すには、ハードやシステムを運用する人間一人ひとりが仮説・検証により常に新しいことに挑戦し現状を改革していこうという意識を持てるかどうか、日々の取り組みにかかっているのです。

※消費市場にはもちろん価格の安さを重視するお客様もいます。仮に価格重視のお客様が市場の60%、質に価値を感じるお客様が40%いたとした場合、普通はどちらをターゲットしますか?
上質さの追求は際限がないため、低価格商品を作るほうが実は容易です。その市場に60%のお客様がいれば、売り手の多くはそちらに目を向けるでしょう。
ただ低価格重視のお客様に売り手の大半が低価格の商品を提供すると、たちまち飽和状態になり価格競争に陥ります。一方質を求めるお客様に上質さを実現できる一部の売り手が質の高い商品を提供したら、圧倒的な支持を得ることができます。セブンプレミアムが好調な業績がなによりそれを証明してます。

・おせち用の黒豆を売る。ある時期まで150グラムのパック詰めで割安の値段をつけて売っていたが売れ行きはあまりよくなかった。そこで量り売りに変えたところ、売れ行きは何倍にも伸びた。
パック売りは「量をまとめて安く売ればお客様にお買い得感を持ってもらえる」という発送だが、買い手から見ると「必要以上に買わされる」というサービスの押し付けに過ぎず、ニーズからかけ離れていたわけだ。

・売り手の合理は買い手の不合理、買い手の合理は売り手の不合理。
仕入れー実売が
x:80-50
y:50-40
z:35-35
だった場合、どれが一番売れ筋か。
売り手:80個売れたXをもっと仕入れよう。
買い手:食いつきのよさはZ。
→ABC分析だけでは見逃してしまうケースがあるということ。

・資本主義は人の欲望によって成り立っている。
よりおいしいものを食べたい、よりいいものを着たいなど。
人間の欲望が無くなったら、人間社会そのものが成り立ちません。この欲望に合致するものや
欲望を刺激するきっかけがあればタンスが一杯でも人はそれを買う。それが人間の心理です。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2014年7月20日
本棚登録日 : 2014年7月20日

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