やっと読めたー。
出光興産の創始者・出光佐三の伝記ともいえる、熱く真っ直ぐな男の生き様であります。
主人公の国岡鐡造も凄まじい人だけど、彼の魅力を解する日田氏や会社の同志、決断力のある銀行や政治家や周りの人たちも素晴らしい。
ぞくぞくする感涙ものです。
個人的にもなかなか興味を惹かれる内容だったのですが、これはすごい歴史でありドラマである。
上巻はそこまで夢中になれなかったけど、下巻は一気でした。
これがビジネス書や社史であったならば読むことはなかっただろうと思うと、こうして小説として読むことができてよかったなと思います。
出光関係者の人によると「だいたい社史と同じ話だけど、小説として面白くなるように大げさになってるところはあるね。あと、実名の人とそうでない人がいるからややこしい」と言ってました。
そうは言ってもかなり没頭して読んだみたいだったし、私が読んでもすごくおもしろかった。
百田氏の文章の巧さによるところも大きいのだろうけど、国岡鐡造の信念が人の心を揺さぶり、その強さが計り知れないものだったってことですね。
日章丸事件がメインだと思っていたら、それ以外のところもすごく多くててんこ盛りでしたが、最後まで疾走感は途切れることなく読み切れました。
そんなうまくいくわけないよーと思いたくなるような展開も、多少の誇張があるとしても史実なんだから。
高度成長期って時代の持つエネルギーがすごかったんですね。
この本が今の時代に出て本屋大賞をとるってのは、すごく納得というか必然であるような気さえしてしてしまう。
- 感想投稿日 : 2013年8月5日
- 読了日 : 2013年8月5日
- 本棚登録日 : 2012年12月4日
みんなの感想をみる