脇役スタンド・バイ・ミー

著者 :
  • 新潮社 (2009年4月1日発売)
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本棚登録 : 140
感想 : 36
4

もっとほのぼのした話かと思っていたのに
思っていた以上に、ミステリーやサスペンス要素の強いお話でした。

初っ端の「鳥類憧憬」がどうにも後味が悪くて、なんだかなーと思ったけど
お次のポリアンナの「幸せ探し」とジンメルの処世術、麻雀の師の「迷ったらツモ切り」の三つに支えられている花梨の「迷ったときは」
音でしか知らない二階の住人を助ける「聴覚の逆襲」
お節介で身を滅ぼしそうになっても、無視できないパズル作楢本の「裏土間」
「定年退職者再雇用制度」の対象者が殺害され、人事部的視点で調査をしてしまう飯田の「人事マン」
この4つはなかなかにおもしろかった。
それぞれの主人公が、直接被害者や加害者や事件そのものとは関わりのない脇役なんだけど、思いもよらぬ形で加担してたり謎に迫ってしまったり。
刑事脇田も徐々に存在感を増してきて、タイトルになるほどねーと感心しました。

最後の前世占いをする女性の手伝いをするうちに巻き込まれてしまう「前世の因縁」はちょっと雰囲気違うのですが、それにつづく最終話の「脇役の不在」になんだか拍子抜け。
いきなりファンタジーなオチいらなくない?
なんか急に変な話になってしまったなぁ。
話自体は面白かったので、エピローグが蛇足だったということで。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ●さ~その作家
感想投稿日 : 2013年10月21日
読了日 : 2013年10月21日
本棚登録日 : 2013年10月21日

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