ギフト

著者 :
  • 双葉社 (2008年6月17日発売)
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本棚登録 : 458
感想 : 122
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死者が見える少年と、自責の念から自分を殺して生き続ける元警察官、
孤独な二人の切なくも心温まる交流の物語です。

設定がオカルトチックなファンタジーで、最初の2話は軽く読めたのですが
3話目の7歳で自宅の庭の池でおぼれ死んでしまった美沙ちゃんの話は辛く悲しく切なかった。
明生くんのことも須賀原さんのことも徐々に明らかになるにつれて
なんかもうたまらない気持ちになってしましました。やるせない。

4話目の嘘つき圭子さんの話はけっこう好き。
このユーモラスな虚無感はやりきれないものがあるけど。

そしてラストの5話は、順当に須賀原さんの事件が解決に向かうのですが
明生くんの告白が痛々しく切なすぎることもあり
冒頭から続く「シックス・センス」のエピソードに、
まさか同じオチ?そんなわけないよね、だとか
でも何か衝撃の結末があったりしたりしちゃう?とか
勝手にドキドキしてしまいました。

そういうことか、と落ち着くと
それぞれ選んだ道を進み始めたふたりにいつか奇蹟が起こるよう願うばかりです。
卵の弁償もいつか必ず。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ●た~との作家
感想投稿日 : 2013年7月26日
読了日 : 2013年7月26日
本棚登録日 : 2012年12月4日

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