彼女はたぶん魔法を使う (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2006年7月22日発売)
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本棚登録 : 702
感想 : 97
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フリーの記者をしながら、未解決事件の調査を行う柚木のところに女性が訪れ、交通事故として処理された妹の死を調べてほしいとの依頼をされる。何ということもない事故のようだが、事故車が見つからないなど不自然な部分が多い。

ハードボイルドなんだか、ミステリなんだか、それらを茶化しているのかかなり混乱する作品である。メインの部分としては、事件解決を目的としたミステリなのだろうが、証拠を押えて次々解決するでもなく、小学生からOLまで、数々の女性に振り回されて、核心に向かえない柚木を楽しむという作品である。

樋口有介の以前に読んだ作品に比べると、相当読みやすく、犯人探しなんかどうでもいいと思いながら読むのが正解であろう。犯人探しを主に読んでしまうと、古いミステリにありがちな、煮え切らないアレが待っている。「動機が弱い」

全体に、ハードボイルドのパロディーのような雰囲気が漂うのだが、テーマの一つが女に振り回されるのであれば、最初に神社にでも行って「女難の相あり」なんていうおみくじのシーンでも入れて於けばよかったんじゃないかな、などという編集目線で締め。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2018年11月5日
読了日 : 2018年11月4日
本棚登録日 : 2018年11月4日

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