蟹塚縁起

著者 :
  • 理論社 (2003年2月1日発売)
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本棚登録 : 448
感想 : 62
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同じ梨木さんの『f植物園の園丁』と共通点を感じるとnejidonさんから教えていただきました。

今、じーんとしてます。
あぁ、nejidonさん。
うまく言葉に出来ないのですけど、
わたしには、『f植物園の園丁』と『蟹塚縁起』の世界は、どこかで繋がってるということが伝わってきました。

読むことが出来て本当によかったです。
ありがとうございます。

蟹が螢となって次々静かに飛び立つ場面は、心が震えました。

『f植物園の園丁』を読んだときに感じたのは、
悲しみや憎しみを心の奥底に蓋をして閉じ込めることは、忘れてしまうことではなくて、それは執着して囚われていることじゃないかなということ。
今回『蟹塚縁起』を読んだことによって、そういう感情を手放せたのなら、きっと自分のことも許せることが出来るんじゃないだろうかと思えたのだ。

身体がこの世からなくなることと、想いが消えてしまうことは同じではなくて。
いつかまた会える日まで、こちら側とあちら側でお互いが想いあい、心のうちで語りかけ、そうやってともに過ごせたなら、きっと縁が途切れることはないのだ、そう強く感じ入る。

ちょっぴり残念だったのは、
この絵本がわたしの利用する図書館では、書庫に収められていたこと。
できたら書架に並べていてほしかった。
さらに欲を言えば『f植物園の園丁』の隣に並べておいてくれたら、もっとよかったのにな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学:著者な行
感想投稿日 : 2020年11月2日
読了日 : 2020年11月2日
本棚登録日 : 2020年11月2日

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コメント 2件

nejidonさんのコメント
2020/11/02

嬉しいなぁ。
私が読んで感動した本を地球っこさんも読んでくださって、しかも☆五つも下さる。
なんかね、もう自分がこの本を書いたかのようなものすごい勘違いしそうです・(笑)
梨木さんの作品の中では比較的マイナーなものに、こうして日の目をみせてくださって有難いことです。
重ねて、ありがとうございます!

地球っこさんのコメント
2020/11/03

nejidonさん、ありがとうございます。

この絵本、教えてもらうまで全く知りませんでした。
読むことができて良かった。
はぁ、生きてるうちに間に合った!という気持ちです 笑

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