2008年のハードカバーでの初読以来。
初読時の記憶は物凄い衝撃を受けた光稀さんの可愛さに終始している。それくらいインパクトが強かった。
そこだけでも一読の価値ありと思いながらも、今でも楽しめるかどうか、期待の分だけ不安も膨らむ有り様の中再読。
やっぱり数ある有川作品中最高傑作だった!
(わたし的に)(初期も初期のデビュー二作目であることが凄いやら切ないやら)
読めて嬉しい!
この頃の隅々まで満ちながら崩壊しないコントロールの効いた奥ゆかしさが大すき。
恋愛も、それ以外も。そしてエンタメ力の塊。
宮じいの正しさが昔も今もこわくて苦手で、そこだけがわたしにとってマイナス要素で、再読でもやっぱり苦手すぎて
「賢しくない」としながら(そうは思えなかった、し、いっそ賢しげに)やたら押して来る著者に反発を感じかけるくらいだったのだけれど
(自分が間違っているんだろうという自覚は一応ある……)
終盤でいざ瞬と相対したら空気が落ち着いていて優しかったから(更に真帆にも)ほっとして、嘘みたいに気持ちが大人しくなった。
大人コンビの恋愛が十二分に、それでいて過剰すぎない絶妙のさじ加減で甘くて、甘くて、のたうつ。二人とも魅力的が過ぎる。二人が登場する度全弾命中する。後からちょっと拾い読みしただけでも胸が崩壊する。どういうことなの……。
大人可愛いとか大人キャラの恋愛に開眼したのってこれがきっかけだったかもしれない。こんなに全肯定したくなる恋愛があることもはじめて知った。
ただわたしにとって至高すぎるのか追随を全く許さない。せつない。
対比上大人と言うものの、光稀さん、思ったより若かったなー(わたしが年を取った)
- 感想投稿日 : 2020年1月1日
- 読了日 : 2019年12月31日
- 本棚登録日 : 2020年1月1日
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