光原百合の、ミステリデビュー作。
豊かな森と優しい人々に囲まれた「シーク」。あたたかさな雰囲気が文章から存分に伝わってきて、読みながらほっと一息ついてしまいます。いずれの話も人の死が絡み、悲しく切ない気持ちにさせられますが、それでも読後感の実に爽やかなこと。翠や冴子と同様に、読者も護さんにどこか救われているのかもしれません。
ジャンルとしては安楽椅子探偵モノになるのかもしれませんが、トリック?そのものはシンプルすぎるきらいがあります。謎解きを楽しみたい時よりも、心がどうしようもなく乾いてしまった時に、是非読んでおきたい1冊です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年11月27日
- 読了日 : 2006年10月29日
- 本棚登録日 : 2016年11月27日
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