“個人の自由から出発する民主主義、つまり、リベラル・デモクラシーを支えている支柱を一言で言えば、価値相対主義と言ってよい。(中略)この主観主義、個人主義、相対主義から、ただちに次のことが帰結する。個々人の主観を超えた価値は存在しないということだ。”(p.232)
“民主主義が、「公共的事項」に対して大多数の者が参与するという政治の空間を回復するためには、したがって、何よりもまずは、個人の主観を超えた共有価値が存在することを認めなければならない。個々人は、この共有価値にコミットし、またこの共有価値から行動の指針を受け取ることになる。(中略)ある種の価値の共有によって定義される、広い意味でのコミュニティや自生的秩序を見失ったところでは、民主主義は私的エゴによって食い荒らされ衰微するか、あるいは「人民の意志」を縦にした「全体意志」に転換する危険をもつことに注意しなければならないのだ。”(p.234)
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- 感想投稿日 : 2014年8月19日
- 読了日 : 2011年9月4日
- 本棚登録日 : 2012年5月19日
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