誰も幸せにならない結末だと思った。凡てと戦う覚悟をしていた代助が、真赤な世界に呑まれる様は虚しいと感じた。代助の気持ちは分かるけど、故に帰着した考え方は理解できない。物語の終着点は妥当だが、鬱屈してしまう。代助の家族は良心だと感じるが、その中で梅子の存在が一番大きい。彼女のお節介が心地よい。代助と平岡が働き方について語り合う所が一番好き。私は「食う為の働らき」だな。「物数奇にやる働らきでなくっちゃ、真面目な仕事は出来るものじゃない」という代助の言い分にグサリときた。そうありたいものだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学・評論
- 感想投稿日 : 2022年10月2日
- 読了日 : 2021年9月24日
- 本棚登録日 : 2022年10月2日
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