ツバメ号の伝書バト(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

  • 岩波書店 (2012年10月17日発売)
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(No.12-89) ランサム・サーガ新訳は、シリーズ半分出たことになります。上・下巻をまとめて書きます。
今は冬、当然寒いです。雪もちらつきました。
それなのに本の中では猛暑。夏休みの話ですからね。
ちょっとだけ暑さを分けてもらいたいくらいでした。

内容紹介を、表紙裏から転載します。
『猛暑の夏、ツバメ号、アマゾン号の乗組員とDきょうだいは、高原で金鉱を探すことに。伝書バトで連絡をとりあい、ますます活動範囲を広げます。ところがあやしげな「つぶれソフト」が行く先々にあらわれます。
見つけたものは、はたして金?炭を焼き、溶鉱炉をつくり、自分たちだけで確かめようとする子どもたち。ところが年上のジョンやナンシイがいない間に・・・・。』

3家族の子供たちが大集合。それなのに今保護者はアマゾン海賊のブラケットお母さんだけという状況なんです。それなのにブラケット家はリフォーム真っ最中。
後からウォーカーとカラムの保護者が来るまで、安全に遊ばせなくちゃとミセス・ブラケットは頑張ります。
家の庭でキャンプすることで何とか我慢していた子どもたち。だけどあのナンシイがいつまでも大人しくしているわけがありません。

結局いろいろ約束をして、家から離れたところの農家の庭でテント生活が始まりました。
そういえば今までで初めてかも、あまり子供たちに好意的でない農家のお世話になるのは。タイソン農場の人が意地悪というわけではないのです。まあ普通の人。子供たちもテント生活なのに食事を全面的にタイソンおばさんに面倒を見てもらい、その代わり時間に縛られるというのがストレスになってしまうの。
完全に自分たちだけのキャンプ生活を勝ち取るまでが、一つの山場になってます。

子供たち、特に年上の子供たちが他の子に気を配っている様子はいつもながら嬉しいし頼もしいです。ティティを傷つけまいとする思いやり。スーザンの動揺を防ごうとする配慮。
いつもナンシイの指示待ちをしていたペギイが、ナンシイに行かせるとトラブルになるからと判断して自分が行くことに決めたり。
状況を判断して対処できるって素晴らしい。
最後には小さい子組のロジャ、ティティ、ドロシアたちも正しい判断をしました。

下巻には訳者あとがきの他に素敵なおまけが付いてます。ランサムファンの中山珠美さんの文。私も、ばんざい三百万唱!

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2012年12月12日
本棚登録日 : 2012年12月12日

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