常春の「奥ノ霧島」。還暦真近の作家が取材に訪れる。その島はホテルなどに内地の大資本の介入を許さないが、IターンやUターン者を歓迎する。島は地域通貨が機能し、公共施設の運営はボランティアが積極的に関与する。この小説は「パンを買うお金と株に投機するお金は違うはずだ」と説いたエンデに由来する。「作る喜び」「人のために仕事をする喜び」が経済行為の本質であるならば、経済は実は愛の領域にあるはずだ、ということの経済シュミレーション。そんなの理想にすぎない・・といってしまうよりも、もう一度、この世界を覆う金融システムを考えてみることが必要だと痛感した。
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エンタメ
- 感想投稿日 : 2007年6月24日
- 本棚登録日 : 2007年6月24日
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