世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2017年7月20日発売)
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感想 : 114
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名前は前々から聞いていたが、最終的にたぐに勧められて手に取った本。(半年前を思い出して投稿)

論理的思考力に始まる基本的なビジネススキルは登場初期には競争力の源泉になり得たが、今となっては飽和状態で全盛期は過ぎ去っている。そんな状況下において、今現在はアーティスティックな思考の有用性に注目が集まり始めている、という内容。

直感的に理解が出来ない言説を、美しい論理構造で根拠を示しながら展開していくから、納得感があった。


”エリートが美意識を鍛えている理由はわかったし、俺も美意識ムキムキマッチョになろうと思う。で、肝心の美意識とやらはどうやって鍛えるんだい?”

という疑問への回答が最後の章に記載されているが、これだけはお粗末な内容だった。

読んだ当初は肩透かしを食らった気になっていたけど、今なら分かる。そんな耳触りの良い答えのようなものは存在しないし、コツコツと積み重ねるしかない。多分著者も本当は最後の章を書きたくなかったのに、売るために仕方なく追加したんじゃないかな。

答えを手に入れたと錯覚させられる刺激の強いコンテンツに吸い寄せられがちだけど、そんなものはなくて、うんうん唸りながら自分の頭を使ってみることが大事だなとようやく理解し始めた22歳。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月23日
読了日 : 2022年3月23日
本棚登録日 : 2022年3月23日

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