企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続

  • ダイヤモンド社 (2003年12月5日発売)
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感想 : 53
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 ビジネススクールの教科書ということで、非常にわかりやすくまとまった本だと思います。またミクロ経済学・産業組織論やファイナンス等も踏まえて書かれている理論的な色彩も強く、その意味でもビジネススクールの教科書的と感じました。
 戦略を「競争に成功するためにその企業が持つセオリー」とシンプルに定義している。
これまで企業診断においてSWOT分析を何度となく使ったが、何が強みで何が弱みかという判断は主観的になりやすいと感じていたところだが、本書で紹介されているコンセプトは非常に参考になる。
 脅威・機会の分析はSCP分析(業界構造S、企業行動C、パフォーマンスP)で業界を分類することで分析できる。 
 強み・弱みの分析はリソーベーストビューのVRIO分析という客観的なツールを活用する。つまり以下の4つの質問にYESと答えられるほど競争優位(競争劣位=>競争均衡=>一般的競争優位=>持続的競争優位)ととらえる。
・価値があるか(V)
・稀少か(R)
・模倣コストは大きいか(I)
・組織体制は適切か(O)
全体として非常に理論的でわかりやすくまとまっており、かつ事例もある、良書だと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営戦略
感想投稿日 : 2015年3月20日
読了日 : 2015年3月20日
本棚登録日 : 2014年12月28日

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