ぼくらはみんな生きている: 18歳ですべての記憶を失くした青年の手記 (幻冬舎文庫 つ 4-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (2003年6月1日発売)
3.51
  • (6)
  • (9)
  • (23)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 97
感想 : 13
3

小説より小説のような事実、ってのは世の中枚挙に暇がないけど、“記憶喪失”もそのひとつかもしれない。物語の中ではあっさり使われるそれを、実際に体験してしまった著者による生々しい手記。18歳時の事故で著者が失った記憶は、名前や家族の記憶に留まらず、数の数え方から食事やトイレなど生理現象そのもの、そして感情。その状況自体の恐ろしさが背筋を冷やすが、周囲の厳しさと優しさ、そして家族の難しさと供に乗り越えていく様が描かれ、記憶と社会との繋がりを考えさせられる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年1月21日
読了日 : 2016年1月20日
本棚登録日 : 2016年1月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする