ローマの哲人 セネカの言葉 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2020年7月10日発売)
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昭和初期~平成の時代を生きた著者がギリシャストア派の哲学者セネカの言葉を現代社会に当てはめて紹介している。

基本的には引用が1/3、それに対する補足や著者の思いが2/3という感じで、セネカ愛が伝わってくる。

読んでいると、セネカの著作に当たってみたいと思うようになる。

内容は
「マルキアへの慰め」
「人生の短さについて」
「道徳についてのルキリウスへの手紙」
「ヘルヴィアへの慰め」
「幸福な人生について」
「心の落ち着きについて」
「閑暇について」
「神意について」

から引用されている。

以下、気になった言葉

・やがては持ち主に返さねばならぬ物によって、人生の舞台は飾られているのです。終わりまで手元に残るのは僅かなものです。

・運命によって与えられたものはいかなるものでも、それを保証するものなしとして所有すべきです。

・奪い取られたことをあなたは嘆くべきでなく、すでにそれを得ていることを感謝すべきだ。

・死はあらゆる苦痛の解消であり、その終焉です。

・今を生きないで、未来の良い生活を夢みて今を犠牲にしていることだとして、そういう人間は生きているのではない。ただ生存しているだけだ。

・自分自身の時間と取り換えるに値するものなど、何も見つけられなかった。

・自分の全時間をただ自分自身の必要のためにのみ使う人、毎日を人生の最後の一日であるかのように生きる人は、明日を望みもせず、また恐れもしません。

・より大きな苦労をしなければ所有し続けられないものを、わざわざ大変な苦労をして手に入れようとする者の人生くらい、単に短いのみならずもっとも惨めなものはありません。

・人生は先送りされてゆく間に通り過ぎてしまうのです。

・所有の少ない人でなく、渇望の多い人が貧しいのです。

・偶然の機会が君に与えるものを避けよ

・自分自身で充足していてもなお、人を愛さずには生きているに値しないとするのが、賢人と言われる

・自分の求めるものが自然の欲求か世俗の欲求か知りたいのなら、それがどこで止まるかを考えるがいい。

・君の恐怖の対象は大したものではないか、長続きはしないだろう。

・心の病とは、ほんの軽い気持ちで願うべきこと、あるいは絶対に手に入らないものを何が何でも手に入れようとすること。そしてそんな本来小さな価値の物に途方もない価値を置いたりするものだ。

・正しい行為の報酬は、それを行ったという事にある。

・道を知るものは植える事を努む

・外から来たものを喜んでいるのは、壊れやすい基礎に家を建てているようなものです。

・持ってないものを欲しない事、提供されたものを喜んでい頂くこと

・運命の手中にあるものには、それがいい顔を見せるときでも、むごい命令を下した時でも、心を動揺されないだけの距離を置け。運命が与えたものを取り返しに来ても狼狽するな。

・自分の心の要求は何かをしっかり見定め、そこから発した目標、仕事を、よくよく研究し、確かめ、決意し、企てたことをやり抜こうとする。

・自分に不適な仕事をするものは不幸に陥る

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年6月27日
読了日 : 2021年6月27日
本棚登録日 : 2021年6月27日

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