金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実
(幻冬舎新書)2018/1/30 著:橋本 卓典
日本型金融排除とは、十分な担保・保証のある先や高い信用力のある先以外に対する金融機関の取り組みが十分でないために、企業価値の向上が実現できず、金融機関自身もビジネスチャンスを逃している状況である。
本書は、上記の排除を考える本である。排除を生み出すメカニズムは一体どういうもので、なぜ拡大するのか。歴史的な経緯は。事業者から見た排除の風景はどう映るのか。それらを根本として以下の6章から構成されている。
①「食い違い」から始まる排除
②事業者から見た排除の風景
③金融排除とは何か
④見捨てない金融
⑤「排除」の大河に架ける橋
⑥排除の終焉と協同の時代
地域金融機関にとってのビジネスモデルの方針のひとつとして掲げられているのは「顧客との共通価値の創造」である。
大切なのは共通価値の創造。「共通」が大きなキーワードとなる。「共通」を満たすために必要なことは何よりも「対話」である。それは金融機関と金融庁との対話だけではなく、金融機関と顧客との間の対話が何よりも大切なことを意味している。
日本型金融排除なんてない。
そう言えば、確かに楽なのかもしれない。
しかし、火のない所に煙は立たぬとはよく言ったもので、この日本のどこかであることは事実であり、自分の近いところではないとは信じたいものの、何よりもそうなってはいけないということは常に認識する必要がある。
組織の形態、規模、置かれた環境などにより役割は全く同じではないかもしれないが、共通価値の創造や顧客の笑顔や満足をえるために仕事を行うというのは金融機関の共通の業務であり、やりがいにもつながることは疑う余地もない。
まだまだ出来ることはある。
まだまだやらなければいけないことがある。
仲間との対話も増やし共に笑顔を創り上げていきたい。
- 感想投稿日 : 2018年2月23日
- 読了日 : 2018年2月23日
- 本棚登録日 : 2018年2月23日
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