長妻さんって、民間企業(NEC)出身だし、二世議員でもないし、野党のときは厳しく自民党や官僚を追求していて、かなり応援していたんだけど、大臣になって苦労されていたような気がします。
本書は氏が厚生労働大臣としての1年間を語ったもの。たしかに本書で指摘されているように、真正面から官僚という壁に相対して、一定の成果をあげたということもあったのだろうけど、1年では難しいですよね。ではなぜ1年しかできなかったのか?邪推ですが、そこに課題があるような気がしてなりません。
清濁併せ呑む器量といいますし、野中郁次郎さんの「イノベーションの作法」にも、イノベーティブな成果をあげるには、真正面切った取り組みと同時に、マキャベリズム的な、周囲を合意にもっていく手法も併せて必要となると指摘されています。49:51でギリギリの判断をするのが政治家だとするならば、正々堂々とした議論、政策論と併せて、うまく官僚や世論をよい意味で誘導する力量もまた求められるのではないでしょうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2012年1月23日
- 読了日 : 2012年1月23日
- 本棚登録日 : 2012年1月23日
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