いまやスマホのゲームの中でも生き続ける「ガチャ」というビジネスの黎明期のカオスの曼荼羅。もともとアメリカから輸入した機器に日本で受けるための商品を詰めるということで始まったビジネスだったと知りました。都築響一の解説にある「日本がアジアだった頃」という感想がとても納得出来ます。海賊版、違法コピー、もう適当なんだけど小さなカプセルの中に人間の業みたいな大きなものを詰め込んでいるようです。子供達にとって、そして人間にとって射幸心というのはものすごいパワーがあるのだと改めて知りました。その射幸心という夢のカケラが本書に掲載されているどうしょうもないガジェットたちであり、それはすみずみまで浄化されシステム化された現代にとっては神話時代の遺物に見えます。そして、この「あわよくば」という人間の業ビジネスを繰り広げたのがフツーの会社ではなんともならないような珍妙な人材たちであることが最後のインタビューでわかります。
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- 感想投稿日 : 2017年4月2日
- 読了日 : 2017年4月2日
- 本棚登録日 : 2013年7月21日
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