本書はハヤカワから出版されたロボット物のSF上下巻です。
#そう言えば、上下巻の表紙を合わせると1枚の絵になりますね。
文章は1ページが上下2段に別れ、比較的細かな字でびっしりと書かれています。
それが上下巻ですから文量としては多い方になります。
読み始めて最初の方は、作品世界の把握と色々と立場が変わったり、あるいは新しく出てくる登場人物の把握が手間で、冒頭の人物紹介一覧を2,3回見直すハメに陥りました。
#登場人物の名前が耳なじみが無い物が多いと言う事も影響しています・・・
#なんで、変な名前を使いたがるのか・・・
おまけに読んでいて意味は分かるが、日本語としておかしな感じがする文章を何度か目にするなど、あまりの文量の多さに編集者もきちんと目を通せなかったのかと勘ぐってしまうことも。
この様に若干難有りな感じの本書ですが、上巻の途中から人物と状況が大体固定され、また作品世界の把握も出来る様になったので、以降スムーズに読み進めることが出来ました。
色々と書きましたが・・・・
あらすじの方を簡単にご紹介。
地球に突如飛来した"カラス"と名付けられた"異星人"。
彼らは地球に対する侵略行為と取られる行動を起こしますが、"カラス"を追って飛来した"クラマ"の手によってその行動が阻まれます。
以降、"カラス"、"クラマ"、双方共に地球に居続けることになりますが、"カラス"によって引き起こされる"弧介時間"と言う災害が人類を苦しめます。
その様な中、弧介時間に耐性を持つダル・タイプと耐性を持たないナーバスに二分化された人類同士の確執や"カラス"に勝った"クラマ"を神と崇め奉る"インバルス"と言う新興団体の振興など、人類社会に様々な変化が起こります。
この状況下で"カラス"が生み出した"キッカイ"と言う存在を打ち破るために選ばれた若きエースパイロット・栂遊星(トガユウセイ)と彼の恋人で後に彼を裏切りインバルスの活動家になった公文土筆(クモンツクシ)、そして彼らの周囲の人々が苦しみながらもそれぞれの敵と戦っていくお話です。
文量はとても多いですし作品世界の構想などは商業作品のレベルには達しているとは思うのですが・・・・
上記しましたが、何というか、文章自体におかしな表現が散見し、その為、時々、文章を書く事に慣れている一般人が趣味で書いた文章から感じられる荒削りな感じがすると言うか・・・
あるいは・・・編集の手が入っていないと言うか・・・
そこが気になって、商業作品としてはどうなの?と言う疑問が最後までつきなかった感じでした。
#決して読めない感じではありませんし、気にならないという方は気にならないでしょうが。。。
#それでもね・・・
#まあ、自分もあまり他人のことは言えませんが・・・
まとめてると、SFライトノベルのテイストを残しつつ、若干それのハード版と言った感じでしょうか?
いつもライトノベルを読んでいるという方が、頑張って読むといいかも。
- 感想投稿日 : 2011年7月4日
- 読了日 : 2011年7月4日
- 本棚登録日 : 2011年7月4日
みんなの感想をみる