思想とはなにか (岩波新書 青版 394)

著者 :
  • 岩波書店 (1960年6月20日発売)
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感想 : 4
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思想とは何か を読みながら 
若いころ 一途で 必死だったことを 思い出した。
1969年という時代に 
私は 積極的に かかわりあいを持たざるをえなかった。
無関心では いられなかった。

そのとき、何を 日本のグランドデザイン としていたのだろうか?
抽象的でしかなかった ような気がする。
はっきりしていたのは ふたたび戦争への道は歩まない。
平和であってほしい という ことだったのかもしれない。
反戦 という ものではなく、平和主義なのかな。
もっと、自分の内面に向かっていたような。
ニンゲンらしく生きられる社会ができればいいと思っていた。

そして 私の人生を どう設計するか?さえも
考えていなかったような気がする。
いまでは 農業をする ということの意味が 少しづつ
理解されるようになった。

1960年8月15日に 書かれた 「思想となにか」は
戦争が終わって、15年という時期であるがゆえに、
戦争の傷跡が 深く残っている。
そして 明るい未来 というものに 
少なくとも 夢があり共感があった。
「閉塞状況」ではない・・・頼もしささえある。

安保反対闘争に 拍手せざるをえない 女子高校生の純真な気持ちが
みごとに 掬い上げられている。
古在由重の時代のトレンドを見ようとする 素直な気持ちが
なんともいえないほど ほほえましくも見える。

転向について かかれた論文が 正しい というのは
一体どういうことだろうと 考えさせられた。
「弁証法的唯物論と史的唯物論」は 科学 である。
キリスト教 の信者が 神を信じなくなるのは 
信仰 であり、宗教だからだ。
科学は 信じないことではなく、原理なのだ。
だから、その原理に目を向けるか 向けないか であるのだが・・・
古在由重が 今の時代を生きていたら どんなことを言うのだろうか?

なぜか ゴツゴツ したものが 手触りとして残った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思想/宗教
感想投稿日 : 2013年1月13日
読了日 : 2013年1月13日
本棚登録日 : 2013年1月13日

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