波紋: 剣客商売 (新潮文庫 い 16-72)

著者 :
  • 新潮社 (1995年8月1日発売)
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本棚登録 : 315
感想 : 9
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剣客商売も すこしづつ たそがれる。
小兵衛が だんだんと 歳をとっていくさまが 寂しく感じる。
小兵衛は65歳となっている。
冬は コタツがあるが 夏は 裸になるだけで 暑さはしのげない。
小兵衛は 意外と身近で 手をつけたがる・・・
そこに 小兵衛らしさが あるのかもしれない。

女との関係で 身を滅ぼす もしくは 苦悩を背負うのは
現在だけではなく 昔から そうだったのだろうね。
内山文太の物語は 10歳年上で 小兵衛よりさらに老いて
その老いを 小兵衛自身が 感じ取る。
内山のしられざる 過去が 老いを さらに進める。
横山正元 が 意外と頼もしいのだ。

剣の修行とは厳しいものだ。
老いることで 剣の技術も低下していく
そのなかで 以下に自分を律するのか。
そのことが 小兵衛の目を通じて 物語られる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史物
感想投稿日 : 2012年11月12日
読了日 : 2012年11月12日
本棚登録日 : 2012年11月12日

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