これって論文を手直ししたものだったんですね。
非常に読みにくいなぁ、と思ったので「内容は5、でも読みにくいから3」としようと思ったのですが、著者の修士論文という貴重な文献を元にした本だったので、僭越ながらも5を付けました。
レーニンはすごい哲学者なのだと思いました。
ただ、第二部はフロイトとの比較がなされていましたが、少し分かりにくかったです。
フロイトだけを別の本で、もう少し詳しく研究したいと思いました。キリスト教のなんちゃって一神教はあのような解釈ができるのですね。関係者として納得してしまいましたw
そりゃあ一人の人間であるとされるイエス・キリストが、父である神と同一視されれば・・・ねぇ^^;
「労働者が資本主義段階で自発的になしうる労働闘争は、資本家の搾取を和らげる働きしかもたない」んだそうです。やはりそうだなと。だから革命的な思想を外部から注入しなければならない。これを外部注入論というそうです。
あと、「資本主義段階では労働者は団結しえない。」なぜならば、資本主義は企業間の闘争が日常茶飯事で、それに従属する労働者は振り回されるわけです。よく考えればそのとおりなんですよね。だから労働者は何かひとつのイデオロギーが必要です。それが共産主義思想なんですがね。それは未来にやってくる。すなわち革命というのは未来を見据えなければならないんでしょうね。
「労働者階級は、出来合いの国家をそのままわが手に握って、自分自身の目的のために使うことはできない。」
まさしくそのとおりだなと。マルクス・レーニン主義では、国家は「階級国家論」という思想体系なので、資本主義段階のブルジョワ国家は「ブルジョワとそれに伍した国家と、それに対抗するプロレタリアート」での構図で成り立っています。だからプロレタリアートが何かの拍子でその国家をそのまま流用したとしても、ブルジョワ的性格は拭い去りきることはできない、といった具合なんでしょうね。(そうするとアジェンデ政権はプロレタリアート国家であるといえなくなるのですが。)まあレーニンは「共産主義社会は暴力でのみ実現する」といっているので、平和的な政権奪取はありえないのしょう。(ちなみにCIAはレーニンの考え方をそのまま鵜呑みにしていたんです。)
もっと詳しく書いてあるので、是非是非読んでみてください。ただ論文なので冗長な表現が少し多いです。推敲の余地があると思いました^^;
しっかし、レーニンの研究をしている人って少ないのですね。もっと評価されるべき人だと思います。同志トロツキーとともに。
- 感想投稿日 : 2009年6月18日
- 読了日 : 2009年6月18日
- 本棚登録日 : 2009年6月18日
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