願かけに行った帰りに事故で死んだコースケは、その願いをかなえるために現世に戻ってくる。残された時間は127時間44分!?
死から戻ってきた主人公の物語というとアレコレ思い出しますが、これはそこにテニスを絡めて青春ものとしての色合いを強めています。
那須田作品の中学生は飄々として大人びているイメージがありますが、この主人公コースケは少し違いました。
何事にも適当に済ませていたコースケが真剣に取り組もうとした時に、周りの人たちの関係が変わっていく。周りの人とも真正面に向き合うことで変わっていく。
真剣になるきっかけは何であれ、部活も人間関係もきちんと取り組んだ方が楽しい。勝つためだけじゃない、認められるためだけじゃない、そんな行為の楽しさをコースケを通して感じられます。
軽やかでユーモアに溢れながら、切り込んでくる人間関係の難しさと怖さ。それは現実にごろごろあるものでしょう。
でもそこから適当に逃げずごまかさずにいれば、きっと楽しく思えることもある。そんな中学生へのエールを感じる作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
在庫なし
- 感想投稿日 : 2020年3月12日
- 読了日 : 2020年3月12日
- 本棚登録日 : 2020年3月5日
みんなの感想をみる