義男の青春・別離 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1998年7月29日発売)
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責苦 ブロバリンを発作的に飲むが死に切れず 滂沱の涙を零す 自己憐憫 ゆうずうむげ融通無碍に往還する 苔生した石仏を感慨深げに眺めたり 火の見櫓ひのみやぐら けれど李さんの説では蟹は下水道を通ってしばしば思わぬ所に現れるのは珍しいことではないという 京成の市川だから 錦糸町に越してくればよかったのに 立石 青砥あおと 湯河原温泉 坂口安吾 左ぎっちょ てこう手甲 この時ばかりは終電のない環状線がありがたかった 貸本 徹底的に作り込んだことによる外連味けれんみ 義父による折檻の種 大島への密航を企てる 自ら仕込んだ通俗を笑い飛ばす大人の理知が無ければ 悲惨な状況のなかで、回数にこだわってしまう滑稽。 作者の含羞が強靭な客観性を支えている

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年12月25日
読了日 : 2018年12月25日
本棚登録日 : 2018年12月25日

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