沢木耕太郎の深夜特急が男性による海外放浪記の傑作とすれば、娘巡礼記は女性による国内放浪記の傑作である。
とにかく、軽妙で親しみやすい書き口、登場する様々な人物と、寺の由来等の伝説、そして雄大な自然の描写。とても楽しく読むことができた。
特に、登山に多少親しむ人には、この戦前の遍路行、野宿や避難小屋的な木賃宿など、具体的にイメージがわいてより面白いかもしれない。
今の時代の我々の感覚では、あるいはこの巡礼のシーンのイメージというのは難しいのかもしれない。だからこそ、ファンタジーよりリアリティあるファンタジーとして読めるという部分もある。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
蔵書A群
- 感想投稿日 : 2012年8月22日
- 読了日 : 2012年8月22日
- 本棚登録日 : 2012年8月22日
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