薄桜鬼 ポータブル(通常版) - PSP

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4.26
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本棚登録 : 829
感想 : 75
5

新選組を題材にした乙女ゲームということで、最初は「いやいやいやいや、ないでしょ…」とそれまで乙女ゲームをプレイしたことがなかったにも関わらずアンチだったのですが、何かの衝動に駆られプレイしてみたら、どっぷりハマってしまった…そんな作品です。

私の中での評価ポイントは「甘すぎない」ということ。
そもそもアンチだった理由は、乙女ゲーム=主人公と各キャラとのあまーい恋愛だと認識していたので、それに実在した人たちを当てはめる、という行為が許せなかったからなんです。特に新選組は話題性もあるし、何か狙ってる感があって余計にそう感じてました。

でも実際にプレイしてみたら全然そんなことはありませんでした。自分の感性にぴったりとはまってくれて、とても楽しめました。
フィクションの部分もうまく史実に絡めているなと思います。


土方ルート
土方さんの人生を追うこと=新選組の歴史と世間一般で言われてるように、土方ルートはどのルートよりも新選組とは?について描かれているルートです。最後の函館戦争まで戦った人なので、シナリオも一番長いです。とにかく長いです。井上さんの最期には泣きました。シナリオ面ではスタッフに一番愛されてるなと感じるルート。

沖田ルート
個人的には結末がどう描かれるのか一番興味があったルート。他の攻略キャラ(隊士)の最期は斎藤さんを除いてみんな戦死だけど、沖田さんの場合は病死。戦死ならそこで生き延びたという形にすればなんとかEDに漕ぎ着けるけど、沖田さんは肺結核を患ったという事実を捻じ曲げない限り必ず死が待ってる。そこをどう描くのかとても興味がありました。
結果、肺結核は患いますが、史実通りには死にません。決して明るい未来が待ってるEDではありませんが、個人的にはこれでいいと思ってます。また、このルートはバッドEDでもスチル画像があるという、乙女ゲームの中でも稀と思われる特殊な例。バッドEDは泣けます。
このゲームの中では一番精神が不安定なキャラ。でもその不安定さがユーザーの心を惹きつけるのでは?と思います。

斎藤ルート
新選組というよりは、武士とは何かについて描かれてるルート。ミーハーな発言をすると、私の一番のお気に入りキャラです。自分で一度こうだと決めた道を真っ直ぐ進む姿には共感を覚えます。

平助ルート
新選組幹部最年少(でも実際は斎藤さんと生まれた年は同じ)という若さゆえの葛藤と、このゲームのフィクションの要素である羅刹について描かれてるルート。無邪気で親しみがあるキャラ。主人公が唯一下の名前で呼び、タメで話します。ゲームの中で藤堂と呼ばれることはほとんどないので、私もついつい平助と呼んでしまいます。

原田ルート
このゲームですべての幸せをかっさらっていってると言っても過言ではないくらいのルート。他のキャラとは展開がかなり異なります。ちょっと大人な展開もあり、プレイ当時はかなり驚きましたが、これはこれでいいんじゃないかと思います。

風間ルート
ノーマルに進んだと思いきや、急な展開に驚くルート。私はびっくりしてぽかーんとなりました。初めてプレイする乙女ゲームだったうえに予備知識も皆無な状態だったので。隊士ではなく敵キャラです。一応、隠しキャラなので、あっさりしてます。

ノーマル
低評価するわけではありませんが、主人公が一人取り残される感があります。そして一番切なくて泣けます。新選組は歴史上、負けた側の人たちですから…誰ともくっ付かなかったとなれば当然そういう展開になります。(風間ルートもそうですが)


たまに「ん…?」と首を傾げたくなるような展開もありますが、それは乙女ゲームだから仕方ないのかなと思います。特に無駄な展開もなく綺麗にまとまっていると思います。ゲームをしてるというやりごたえは感じませんが、小説を読んでいるという感覚では非常に楽しめると思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ゲーム
感想投稿日 : 2012年7月8日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年5月14日

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