この巻で、物語の背景がかなり明らかとなります。
かつて五百祇は、一人の天使に心を奪われました。琥珀の後を継いで天界の「天使の卵」を孵すための歌を歌うその天使は、天界と異界の戦いでできた亀裂から漏れ出た戦いの余波を浴びた人間の少女を救うため、自分の魂を少女の中に閉じ込めます。五百祇は神に降伏し、天使の命を救う条件として、現在の姿になって小鳩がビンの中身を満たす手助けをすることになります。
ところが、その小鳩が保育士の藤本のことを好きになるという、五百祇や玄琥が思いもかけなかったことが起こります。ビンを満たせば五百祇の願いは聞き届けられますが、小鳩は人間界から離れなければなりません。五百祇は、自身の願いを犠牲にしても、小鳩が自分の思う道を選んでほしいと願います。
五百祇に後押しされて、小鳩はよもぎ保育園を救うため、ヤクザの沖浦に会うことを決意します。彼女が沖浦のところへ行ったことを知った藤本は、小鳩の後を追いかけます。
壮大なストーリーと、小鳩たちの優しさが伝わってくる丁寧なタッチの絵が、何の違和感もなく一つに溶け合っているところに感動させられます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青年コミック
- 感想投稿日 : 2014年7月12日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2014年7月12日
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