時間のおとしもの (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2012年1月25日発売)
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本棚登録 : 809
感想 : 54
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短編四編を収録しています。

「携帯電波」は、一人の少女が携帯電話にかかってきた並行世界の自分自身からの通話に出たことで、べつの世界に移行してしまう話。

「未来を待った男」は、過去を変えるためにタイム・マシンを呼び寄せる瀬川と、その友人で時間について研究している佐門の二人の物語。ちょっとした叙述トリックがとりいれられています。

「ベストオーダー」は、並行世界からやってきた三人の自分自身と協力して、完全犯罪をもくろむ男の物語。

表題作の「時間のおとしもの」は、「時が止まればいいのに」というのが口癖の少女が登場する、ボーイ・ミーツ・ガール作品です。

いずれも、時間や並行世界などの道具立てを用いた作品ですが、短編ということもあっておおがかりな設定が準備されているわけではなく、すこしふしぎな読後感があじわえるライト文芸といった印象です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2022年1月25日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年1月25日

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