宮本武蔵(八) (吉川英治歴史時代文庫)

著者 :
  • 講談社 (1989年12月26日発売)
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武蔵と別れた伊織は、商家に引きとられていたところを長岡佐渡に発見され、彼のもとに身を寄せることになります。又八は江戸を追放されたあと、頭を丸めて真人間になることを誓い、武蔵と再会を果たします。その後、彼は朱実が自分の子どもを産んだことを知り、彼女とともに生活することを決意します。お杉はあいかわらず武蔵とお通への恨みを捨てず、お通に復讐する機会をうかがいますが、城太郎がお通を救出し、その後両者は和解するにいたります。

こうして、これまで武蔵の周辺を騒がせていた登場人物たちの処遇が定まり、いよいよ武蔵が船島で巌流小次郎と決闘をおこなう手はずが整います。武蔵にゆかりのある人びとは彼の身を案じますが、武蔵は彼らの心配を知りつつも心を乱されることなく、佐助の漕ぐ舟に乗って島へ渡り、櫂を削った木刀を手に、小次郎の待つ決闘の地へと向かいます。

クライマックスに向かってこれまでのさまざまな登場人物たちが落ち着きどころを得るという、エンターテインメント作品らしい締めくくりでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2022年1月29日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年1月29日

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