SMクラブで働く忍(しのぶ)と、彼女を「お姉さん」と呼んで慕うちかの物語。
ちかが書いた小説が新人賞を受賞してしまい、スキャンダルの渦中に巻き込まれることになりますが、彼女は周囲の好奇のまなざしにさらされても自分自身の軸がブレることはけっしてなく、明るく振る舞いつづけます。忍は、そんな彼女に感心したり呆れたりしながらも、ちかの鋭い観察眼を通して見られる世の中に対する見かたに耳を傾けます。
本書の著作紹介には「著者の虚構的半自伝小説」と書かれており、著者のスキャンダルに関心をいだく世間や文壇のおかしさをコミカルにえがいた作品といえるかもしれません。ただ、そうだとしても忍やちかなどを除いて登場人物たちが愚かでプライドだけは高い薄っぺらな人物としてえがかれていて、くり返し読もうという気にさせられる作品ではありませんでした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本の小説・エッセイ
- 感想投稿日 : 2021年4月7日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2021年4月7日
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