織田信長の「天才」に迫る評伝です。
著者は、新しい秩序を創ろうとする信長の精神を描き出すに際して、プルタークのカエサル論やスタンダールのナポレオン論のほか、ヴァレリーのデカルト論のような、一見したところ信長とはかけ離れた議論を参照しています。そこには、新しい秩序を創造する信長の「個」としての強靭さを捉えようとする著者の意図があると言ってよいのではないかと思います。
著者の本を読んだのは初めてですが、思考のスタイルが、評論家で著者と同じくフランス文学が専門の福田和也に通じるものがあるように感じました。個人的にはちょっと苦手なタイプの文章なのですが、それでも信長という人物の魅力は十分に伝わってきました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史・地域・文化
- 感想投稿日 : 2016年1月25日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2016年1月25日
みんなの感想をみる