現代思想の入門書です。ただし、ソシュールの言語学からレヴィ=ストロース、ドゥルーズやデリダといった人びとの思想の内容を紹介することよりも、彼らの思想がどのような「目的」を持っているのか、というところに焦点を絞った内容になっています。
「現代思想」は、「哲学」とは異なり、目的を離れて正しいかどうかを議論することはできないと考えると本書では述べられています。特定の目的をもたない普遍的真理を探究することの断念から、現代思想はスタートします。こうした観点に立つならば、脱構築の実践による「正義」の発想や、観察者が観察対象の外部にたつことはできずつねに参与者でしかありえないという立場をとるガーゲンやモランの社会学、さらにハーバーマスやローティの実践的性格などの内容が解説されています。
また巻末には、ていねいなブックガイドとキーワード解説が付されています。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学・思想
- 感想投稿日 : 2019年2月27日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2019年2月27日
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