※灼眼のシャナ (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2002年11月8日発売)
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「この世の歩いてゆけない隣」からやって来た「紅世の徒」を討滅する「フレイムヘイズ」のシャナと、紅世の徒に存在そのものを喰われて「トーチ」となった坂井悠二の物語です。

第1巻では、紅世の王フリアグネとの戦いが描かれます。大長編シリーズの最初の一冊にしてはテンポよく進んでいて、出足は好印象です。存在を失いつつある悠二が「いまあるもの」の大切さに気づき、使命感のみに生きてきたシャナが悠二との出会いを通じて変化し始めるというところまで、この巻でカヴァーしています。ただし、非日常の出来事に対する悠二のスタンスや、シャナVS吉田一美の構図もほとんどこの第1巻で描かれてしまったためか、後続の巻では登場人物ばかりが増えて展開がもたもたしている印象を受けてしまいがちです。

本シリーズは、谷川流の『涼宮ハルヒの憂鬱』と並ぶ「セカイ系」の大作ですが、世界観の設定やストーリー構成はこちらのほうがよほどしっかりしている印象です。よくも悪くもスキがないのですが、そのぶん『ハルヒ』のようには自由な読み方ができない、ともいえそうです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 少年向けライトノベル
感想投稿日 : 2018年10月8日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年10月8日

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